これが、はしかやインフルエンザであればマスコミも親たちも大騒ぎするでしょう。
しかし、不思議なことに世界中の国や国民も何も言わないのです。
歯列不正は、人類の進化の途中で正常なのでしょうか。
また、個性でしょうか、それとも病気の一つなのでしょうか。
私はこの疑問に対して、まず正常な人間とはどのように進化して現代人になったのかを研究したところ、歯列異常は進化ではなく退化であり、そのことが歯や顎だけでなく、全身に悪影響を及ぼしていることがわかりました。
もし、人類の退化と進化についてご興味がある方は、宜しければ下記をご参考下さい。獣毛がなくなり、皮膚になったのはいつか。獣毛がなくなった原因とは、サルにも「ひと」より少ないが汗腺があり、汗をかく。汗をかくと汗とともに塩分が出る。その塩分が毛につく。毛につくとかゆくなる。そのために毛についてた塩分をとって身づくろいと塩分補給を兼ねる。そこで実力のない者がボスなどにゴマスリとして行う(グルーミング)。という行為が生まれたのでしょう。
しかし、長距離を連続して移動すると、、大量に汗をかく。そのために汗腺を増やして熱の発散量もふやさないといけない。しかしそうなるとその中の塩分が毛の中で乾き、塩分が固まってヨロイのようになり、下からの発汗作用を阻害してしまう。
したがって、それを防ぐため獣毛は次第に細く、まばらになり、ついには下の皮膚だけになってしまった。つまり獣毛の退化と汗腺の発達が長距離移動を可能にしたのです。しかし現代人のような全身皮膚だけになったのは、ほんの数千万年前のことであろう。それは皮膚だけでは体がキズつきやすいので、身の安全が保証されてやっと皮膚になったと思われる。
長距離移動するには、大量のエネルギーを消費する。それには大量のエネルギーを摂らなければならない、それには木の実や葉のエネルギーだけでは少ないので、動物性の高タンパクに頼らなければならない。
「ヒト」が動物性タンパク質に移行したから長距離ができるようになったのか、長距離移動するために動物性タンパク質に移行したのか、もちろん動物をしとめるために結果的に長距離移動したことになるのだが、「ヒト」は好奇心が強いので、手段として肉食に移行していったと思われる。
さて、肉を食べるようになって「ヒト」は類人猿のように牙がないのが特長なので、今のチンパンジーのように牙で皮を裂くのもむずかしく、しかも皮や毛はまずいし、第一食べられない。そして何とか、皮と肉とを別々にできないかと考えていた、あるとき岩場を歩いて鋭い岩の上を歩いて足をケガしたやつがいた。この岩は足が切れるぐらいだから、この動物の皮も切れるかもしれない。そしてこの動物を岩場まで持って行き、そこにこすりつけると皮が切れた。しかし、毎回そこまで運ぶのが大変なので、するどい岩のところを割って持って帰ることを思いついた者がいた。岩を石にぶつけて割っていると、石の方がわれ、それがたまたま鋭い破片が出来て、それで皮を切るとうまくいったので、石と石をぶつけて割り、石器の原型が出来た。
しかし、皮は切ったけれど、肉を石器で切って調理するという発想がなかったので、肉は骨ごと手で持って、歯でちぎって食べていた。ただし、野生動物の肉はものすごく堅く、その肉を食べるときは、肉の塊を小さくして口の中で噛めるようにする必要がある。そこで右の第2小臼歯から左の第2小臼歯の間の適当な歯で肉を噛み、両手で強く引っ張り、口輪筋と表情筋をおもいっきり強く締めて、歯と手と唇の力で引きちぎるのです。
この食べ方を私は、「表情筋との引きちぎり」となづけました。野生動物の硬い肉は歯や手だけでは切れずに、全身の力を入れて食べていたのです。そして何百万年も食べ続けると、筋肉は発達し骨も変形していった。
その結果、鼻が高くなったり、おでこ(前頭骨)が前に来て顔が垂直化したり、脳の前頭葉が大きくなったり、オトガイなどが出来て、現代人の顔や体型になってきた。そしてそれは数万年前に完成していたのです。いわゆる彼らが理想的な現代正常人である。
そして、約1万年前に穀物の栽培が始まり、食生活が変わり始めた。当然穀物が中心となり、肉は副食化していった。人類は何百万年とかけて肉食に合うように筋や骨を変化させてきたが、その筋や骨で穀物を食べ始めると、肉を食べるときには使っていた筋の中には、使わなくてもいい筋が出てきたり、使っても弱い力でしか使わなくていいようになって、骨にも今までのような力がかからなくなった。そうすると、使わない筋は退化し小さく短くなり、骨も小さくうすくなってきた。
そして問題はこの変化が数十万年かかって徐々に変化してきたのなら、それは進化といえるが、約一万年ぐらいの短い期間では体が対応しきれなくていろいろ不調和をきたすようになってきた。